ベトナム奥地・中部高原地帯の中学校(2)

 長年ホーチミン市に住んでいる長谷川義春さん(奥様はベトナム人)が、ベトナム奥地(中部高原地帯にあるコントゥム省[Tỉnh Kon Tum, 崑嵩省])で、中学校の寄宿舎を作りました。
 その「報告書」と新聞記事(日本語訳)を8回に分けて紹介します。

《タイ バー ズン記者から届いた写真》

 「トゥオイ チェ」新聞の記者が送ってきた5枚の写真を、私(長谷川義春さん)の分かる範囲で説明します。

[写真A]


 「放課後の自習(中学1年生)」という、写真を撮ったタイ バー ズン記者の説明がついています。
 中学1年生といっても、ベトナムは小学5年・中学4年制ですから、日本の小学校6年生と同年齢です。
 後日、私がこの学校を訪問して分かったことですが、写真の場所は、教室として建てられた部屋(8メートル四方)に生徒用の2段ベッドをぎっしりと詰め込んだ“臨時宿舎”の中です。
 宿舎と言っても、生徒個人に割り当てられたプライベートな場所は、それぞれに割り当てられたベッドの上だけです。
 寝たり、個人的に勉強したり、くつろいだり……は、ベッドの上でします。
 個人的に使用できる机・イス・たんすなどは、一切ありません。

  [写真B]


 このような深い泥の坂道が延々と何キロも続いています。
 道の真ん中は車のタイヤにえぐられていて走りにくいので、バイクはなるべく泥の浅い道の端を探して走ります。
 写真を見ても分かるように、あまり道の端によると、(泥の下の大石などに)ハンドルをとられてひっくり返った場合、そのまま山の斜面を転がり落ちることにもなりかねません。

[写真C]


 説明はありませんが、おそらくトゥオイ チェ新聞が紹介した学校(ゴクテーム中学校)の校区内にある一集落を撮ったものでしょう。
 画面を上下に二分する形で、左から右に川が流れています。
 山の斜面を掘り下げて曲がりくねった道が上下に走っています。

 川と道が交差する点を、詳細に見てください。
 川に橋は架かっていません。
 その代わり、川底には橋状に大きな石が敷き詰められていて、そこだけ人工的に川が浅くなっています。
 この浅くなった部分の上を、車は渡るのです。
 もちろん、川の水流はいつも一定ではありません。
 大雨が降れば水位が上がり、流れも急流となって、「車で渡るのは極めて危険」といった状況にもなります。
 また、大石も急流に押し流されて“水中の石橋”は崩れます。
 事実、写真では、大石は“石橋”の上流(左側)にはまったく見えませんが、下流(右側)には流れの中にゴロゴロと転がっていて、危険な“石橋”であることが見て取れます。

 車の渡る“石橋”の右側に、人が渡る橋が見えます。
 民家の大きさなどと見比べて、この川はかなり川幅があり、橋もかなり長く横幅もあるようですが、テスリも橋脚(きょうきゃく)もありません。
 この橋はたぶん木材でできていて、詳細に見ると、橋の裏側(下面)には等間隔にたくさんの横木が取り付けられ、何本もの木材をしっかりと繋いで一本にされた橋であることが分かります。
 材木を繋いで作った橋ですから、この橋を人が渡れば、重みで上下に大きく揺れます。
 写真からは、この橋は、かなり高さがあるように見えますが、万一にも落下したら怪我をせずにはすまないでしょう。
 これがいわゆる“サルの橋”と呼ばれているものです。
 この集落の学童たちも、この橋を渡って学校に通うのでしょうか? 

  この写真の中には、畑らしきものがほとんど見当たりませんね。
 画面から推察されるように、このあたりは赤土で、たぶん土壌が痩せていて、畑作には向かないのでしょう。
 村人たちは、何を生業(なりわい)にしているのでしょうか…。

[写真D]


 寄宿生たちの食事風景です。
 食堂がないので、寄宿生たちはいくつかのグループに分かれ、思い思いの場所で、このように食事します。
 後日、私がこの学校を訪問したときにも、寄宿生たちのこの食事風景にぶつかりました。

  [写真E]


 2本の材木の上に掲げた青い看板には、「ゴクテーム中学校 ディエクロ分校」と書いてあります。
 たぶん、記者が先生に頼んで生徒全員を校門の前に集め、記念写真を撮ったのでしょう。
 生徒の数を数えてみると20名以上、半数近くが裸足ですね。
 生徒は小学生と中学生のように見受けられますが、これだけの子供たちを全部、この女の先生1人で教えているのかな?
 まさかねえ…。

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