タムコックの景観

2014年の第38回世界遺産委員会で世界遺産として登録された「チャン・アン複合景観」に属しています。
カルスト地形の景勝地で、隆起した結果、現在のような景観になりました。かつては海のなかにあったそうです。
FUJI教育基金では2008年に、奨学金を贈っているチャット・ビン中学校の生徒たちといっしょに、タムコック、ビックドンを訪れています (2008年FUJI奨学金授与の旅)。

タムコック

「タムコック」とは、漢字で表記すると「三谷」で、その名の通り、3か所の洞窟を舟がくぐり抜けてすすみます。舟に乗ったのは、2015年3月で、薄着で行ったら寒かった記憶があります。

タムコック;最初の洞窟をくぐる

タムコック周辺の景勝地めぐり

2015年12月に、タムコック周辺の景勝地をバイクタクシーに乗ってまわりました。
すばらしい景色を見ながら、舟でまわるのとは違った楽しみをたっぷり味わいました。
ニンビン市内のミニホテルから、ビックドン寺院への途中の景色です。

ビックドン( Bích Động )寺院

ビックドン寺院は、タムコックの奥にある洞窟寺院です。入口が狭く岩が迫っているので、こんなところにお寺があるのかなと疑りながら山門をくぐると、重層的に造られたお寺が見えてきました。順に下寺 (チュア・ハ)、中寺 (チュア・チュン)、上寺 (チュア・チュオン) があります。
洞窟のなかにある上寺を抜けたところで、お寺の方かどなたか分からなかったのですが、「上へ行け」と(たぶん)言っています。でも、上を見上げると岩山しか見えません。何度か促されたので、踏み跡らしきところを見つけて、岩にとりつきました。でも、前を登る人も、後ろについてくる人もいません。
どうせなら行ってしまえと思いながら、30メートルぐらい登ったら頂上に着きました。登っただけの甲斐があって、すばらしい景色でした。

岩山の頂上からタムコックを眺める Hang Múa
タムコック

急な階段を登っていくと、山のてっぺんから、折り重なる山々を縫って行き交うタムコックの小舟たちが幻想的にながめられます。下ってから洞窟をくぐりぬけると、小舟の目線でながめられる、タムコックの景観が広がります。

Thai Vi Temple

ビックドン寺院を出たのは夕方近くになりましたが、もう1か所寄ってみました。タムコックの舟着き場をまわりこんで、川にそって畔道のような細い道をすすんでいきます。

Thai Vi Temple

ビックドン寺院から出て、タイヴィ寺までの道は、水墨画を何枚もめくっていくような静かな景色がつづいていました。
白い鳥が群舞している様子、母と息子なのか、ご夫婦なのか、遠目には判然としませんが、景色を眺めながらゆったりとおしゃべりを楽しみながら漕いでいる小舟、タイヴィ寺に、日課(?)のお参りに門をくぐるお年寄り。
観光客が集まる寺院とはちがい、生活のなかにいきづいている日常風景を感じました。

ベトナムの紹介(写真)