カム山

FUJI教育基金の仲間たちといっしょに、チャウドック市を朝、貸切バスで出発し、カム山見物に向かいました。

チャウドック市から、カム山へ

チャウドック市を出発し、メコンデルタの水田を両側に見ながら走ってきたバスは、山道に差し掛かります。山と言っても、たいした高さではありませんが、地平線が見えるほど水田が広がるところからすると、明らかに「山」です。
チャウドック市の郊外にあったサム山のまわりにはいくつかの寺院があったように、このあたりの山には、へばりつくように、寺院の姿がついています。山は、それ自体が信仰の対象だったのでしょう。大きな岩がいくつも見えます。

水田地帯から「山」に差し掛かると、寺院が見えてくる。
水田地帯から「山」に差し掛かると、寺院が見えてくる。

お寺を過ぎて登ってきたバスが、こんどは下り坂にさしかかろうとするあたりで、左側を見ると、動物の顔のような形をした大きな岩の集合が目に入ります。

 Núi Két の おうむ岩
Núi Két の おうむ岩

この岩は標高190メートルほどのところで、 「Ket 山」(Núi Két;標高225メートル)から突き出し、鳥の形に見えるため「オウム岩」と呼ばれています。山頂まで600メートルの参道が階段でつづいていて、途中には、いくつものお寺や神社があるそうです。
2年前にチャウドック市の近郊をバイクの後ろにまたがって走りまわり、クメール集落を訪問したときにも、この岩を見ながらこの道を往復しました (眺めの先はカンボジア:国境の街チャウドック市(tp.Chau Doc))。2年前も今回も、ここに立ち寄る時間がなく素通りしてしまいました。

 Ket 山 への入口
Ket 山 への入口

山道がおわり、平坦な道をバスがすすむと、クメール族が居住する地域で、金ぴかのクメール寺院が沿道に見えてきます。

クメール寺院
クメール寺院
クメール寺院
クメール寺院
クメール寺院の塀
塀も、独特です。
クメール寺院
クメール寺院

市場を通りすぎ、大きな山のふところに入ってきます。

クメール族が多く住む地域の市場  Chợ Chi Lăng
クメール族が多く住む地域の市場 Chợ Chi Lăng

カム山 (Nui Cam)

カム山へは、一般車は入場禁止で、この駐車場にとめて、専用のバスかバイクタクシーに乗り換える。
カム山へは、一般車は入場禁止で、この駐車場にとめて、専用のバスかバイクタクシーに乗り換える。

メコンデルタの最高峰、標高705メートルのカム山にはロープウェイで登る予定でした。しかし、このロープウェイは2015年に開通したものの間もなくトラブルがあって、以来動いていないとのこと。広い駐車場にあるチケット売り場でカム山への入場券(専用バスの切符)を購入し、小型の専用バスに乗り換えて山頂をめざします。

左が入場チケット売り場。ロープウェイは、ゴンドラが釣り下がったまま、長期間運行停止になっています。
左がチケット売り場。ロープウェイは、ゴンドラが釣り下がったまま、長期間運行停止になっています。
山頂まで行く専用バスの往復チケット
山頂まで行く専用バスの往復チケット

駐車場から少し登ったところに、一般車を規制するゲートがあります。

ゲートでは、バスの乗車チケットを点検されます。
ゲートでは、バスの乗車チケットを点検されます。

山頂では、トゥイリエム湖 (Hồ Thủy Liêm)、ヴァンリン寺 (Chùa Vạn Linh)、ファットロン寺 (chùa Phật Lớn) が見どころのようです。専用バスは、それらのある区域のちょっと手前が終点です。
狭いバス駐車場に数台のバスが並び、バスが到着するとバイクタクシーの運転手が寄ってきて、乗れと、われわれを促します。5万ドンが相場のようで、言われるがまま乗りましたが、ぶらぶら歩いてもたいした距離ではありませんでした。

バスの終点。バイクタクシーの運転手が寄ってくる。
バスの終点。バイクタクシーの運転手が寄ってくる。

湖畔には、七重の塔をもつヴァンリン寺 (Chùa Vạn Linh) が建っていて、参拝客でにぎわっていました。

前方が ヴァンリン寺
前方が ヴァンリン寺
ヴァンリン寺
ヴァンリン寺

トゥイリエム湖 (Hồ Thủy Liêm) をはさんで、 ヴァンリン寺の対岸に、高さ33.6メートルの大きな弥勒菩薩が座っているファットロン寺 (chùa Phật Lớn) があります。

 トゥイリエム湖 のむこうに、七福神の布袋 (ほてい) 様がいる!!!
トゥイリエム湖 のむこうに、七福神の布袋 (ほてい) 様がいる!!!

七福神の「布袋様」 はいるけど、弥勒菩薩はどこにいるの???

ファットロン寺 (chùa Phật Lớn)
ファットロン寺 (chùa Phật Lớn)

この太鼓腹の仏が、弥勒菩薩だったのです。
いまの中国・浙江省寧波市に実在したとされる伝説的な仏僧・布袋(ほてい)になぞらえ、中国では中世以降、この姿形を弥勒仏の姿として描くようになったそうです。
ちなみに、2005年に出来たこの弥勒菩薩像は、2013年に、アジア版ギネスブックで「アジア最大の弥勒菩薩像」と認定されたこともあります。

トゥイリエム湖
トゥイリエム湖

湖をまわりこんで、ふたたび専用バスに乗って、駐車場に戻ります。

ベトナムの紹介(写真)