96-Chua Doi-コウモリ寺

ソクチャン省はメコン川が南シナ海に注ぎ込む河口に位置していて、平地で農業に適した土地です。昔からクメール族が多数住んでいて、現在でも人口の約3割を占めており、多数のクメール寺院があるなど、クメール文化を色濃く残している地域です。
しかし近年、ソクチャン省の省の沿海地方では、毎年早魃と塩害の被害が発生し、2020年4月現在も、住民の生活用水やコメ・畑の農作物が深刻な影響を受けています。
省都ソクチャン市および周辺にある、とってもユニークな寺院を訪ねました (2014年4月末)。

カントー市からソクチャン市へ

ソクチャン市にはいるところ

日本で会社勤めをしているタオさんの実家があるカントー市から、ご両親・従妹さんの案内、弟さんの運転で、ソクチャン市をめざしました。カントー市からはハウザン省を通過し、国道QL1で約60km(1時間半)の道のりです。
沿道に点在するキリスト教会が印象的です。また、昔から変わらないことは、対向車線をつかって堂々と追い越しをかけるマナーで、走行車線を走っているこちらが路肩寄りに道を譲らなければ正面衝突事故になってしまいます。

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粘土で出来た仏様や奇妙な動物がいる寶山寺 (Chua Dat Set)

寶山寺の門から足を1歩踏み入れると、さまざまな種類、形の像が出迎えてくれ、びっくりします。
寶山寺は、Ngo Kim Tong氏が1928年から亡くなる1970年まで42年間かけてつくった寺院です。

寶山寺 入口

寺の中には、阿弥陀、弥勒、観音菩薩、孔子、道教の最高神・玉皇大帝、老子、道教の女性神・西王母など神々の像、動物の像など数千の像が所狭しと並んでいます。これらはいずれもひび割れを防ぐための接着剤と香を混ぜた粘土で作られ、ニスで塗装されています。

また、1940年に鋳造された巨大ロウソクでも知られています。直径1m、高さは2.6m、200 kgのロウでつくられています。

長さ2.6mの巨大なロウソク

黄金色のクメール寺院 (Wath Khleang)

Kh’Leang寺院は有名な上座部仏教のクメール寺院です。
この寺院は、一帯がクメール帝国の支配下にあった1533年に建てられ、その後17世紀から18世紀にかけてベトナム人開拓者がこの地域を占領しました。

最初の建設以来5世紀の間に何度も改修されてきましたが、過去80年間は改修されていません。

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数万匹のコウモリが住むクメール寺院 (Chua Doi)

Chua Doi は、マートック寺(Chùa Mã Tộc、クメール語:Wathseraytecho Mahatup)あるいはコウモリ寺(Bad Pagoda)とも呼ばれるクメール建築の寺院で、ソクチャンで最も古い寺院のひとつです。クメール語で「Mahatup」は抵抗の戦いという意味だそうです。かつて激しい農民運動が起こり、乱を逃れた人々が肥沃なこの地に寺院を建てました。記録によるとパゴダは1569年に創建され、その後幾度となく修復されてきましたが、2008年に焼失しました。現在の本堂は2009年4月に復元されました。
寺院は古代クメール文化を残した装飾がなされ、彫刻、絵画もその影響を反映しています。
境内には、それぞれの墓石にブタの絵が描かれた奇妙な墓ががあります (ここには寄りませんでした)。これらは、寺院で僧侶によって飼育された5蹄のブタの墓です。

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この寺院が「コウモリ寺」とも呼ばれているのは、ここの森にはパゴダが建てられるまえから、大きいものは1kgもある大きな何千匹、何万匹ともいわれるコウモリが住み着いているからです。
コウモリは果樹を食べます。夜、食べ物を探しに出かけ、昼間は森の樹にぶらさがって寝ます。夕方、コウモリが鳴き声をたてて飛び交うそうです。果物が少ない時期には遠くまで探しに出かけ、夜明け前に戻ってこれないときは、そこで眠らなけばなりません。
コウモリは哺乳類で、樹にとまって出産し、翼で赤ちゃんを抱いて育てます。

白い円の中に、コウモリが見える

Chua Doiの門の向かい側に、2013年に開業したレストラン(Nha Hang Du Lich Chua Doi)があって、クメール伝統ダンスの披露があり、海鮮フォーが美味しかったです。

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陶器の皿で飾られたクメール寺院 (Chua Chen Kieu)

Chua Chen Kieuは、サーロン寺(Chùa Sà Lôn、クメール語:Wath Sro Loun)と呼ばれていました。この「Chua Sro Lon」という名前は、以前、塔の近くの道路に沿って走っていた運河の名前「Chro Luong」に由来しています。
現在の寺院は、ソクチャン市の中心部から10kmちょっと離れた国道1A沿いにあります。建物の内外の壁面がお皿や鉢で飾られて、ユニークさを出しています。
1815年に木と葉で創られたクメール様式のパゴダは、戦争の間に荒廃してしまい、1969年に本堂やいくつかのパゴダが再建されました。再建のときに材料が不足していたため、僧侶たちは村の人々からお皿を寄付してもらい、建物を装飾しました。それ以来、この塔は地元の人々から「Chua Chen Kieu」と呼ばれています。

サーロン寺の山門入口

寺院に着くと、クメールの伝統的建築様式で建てられた、あざやかな赤色と金色の門が出迎えてくれます。門の上には3つの塔が載り、中央の塔には平和と繁栄の象徴、水の精アプサラの像が飾られています。門の外側には、左右にライオンの石像があります。
門をくぐると、露天の野菜売り場が賑わい、お店の裏側に隠れるように、ガルーダの体をした女神のような像が並んでいます。

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はじめの建物に入ると、仏陀の物語が描かれた大きな壁画の迫力あふれる人物の絵に圧倒されました。

クメール寺院の天井画

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中庭の真ん中に、ライオン像が両側から支えている真っ赤な旗竿が立っています。
旗竿の前には黄色を基調にした建物があって、よく見ると、お皿や料理の鉢、それらの破片で飾られています。

陶器の破片やお皿で装飾された寺院

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ベトナムの紹介(写真)