浮珠廟

タンソンニャット空港の東を流れるヴァム・トゥアット川(旧ベン・カット川)の中洲にピカピカの寺院があるらしいことは知っていたのですが、その中洲にどうやって渡ったらいいのか、わかりませんでした。そうしたら、友人のDiemさんが案内してくれるというので、お言葉にあまえて、連れていってもらいました。
Vòng Xoay Nguyễn Thái SơnのロータリーからNguyen Thai Son通りをVam Thuat川に向かい、突き当りを左折すると道は狭くなり、Tran Bao Giao 通りです。

Tran Bao Giao Street
Tran Bao Giao Street
水龍宮

100mぐらい進むと、右の路地から、バイクが切れ目なく曲がってきます。ここは抜け道になっているのかと思いましたが、帰りに謎は解けました。
それはさておき、さらに数十メートル進むと、こんどは人が道にあふれています。「水龍宮」と書かれた寺院です。

水龍宮入口
水龍宮入口

中洲の寺院に行く前に、別の面白い寺院を案内してくれたのかなと思いつつ、中にはいりました。なかは線香の白い煙が充満し、大勢の人たちが参拝しています。ピカピカの像が、所狭しと並んでいます。(写真撮影OKとのこと。参拝客の邪魔にならないように気をつけて、シャッターを押しました)

水龍宮のお堂内部正面
水龍宮のお堂内部正面

大勢の神様が祀られています。それぞれの表情が豊かで、鮮やかに彩られ、お参りするより先に、見とれてしまいます。(↓下の小さな写真をクリックすると、それぞれ大きくなります。

いくつか、目を惹かれたものがありました。

「水龍宮」の龍
「水龍宮」という名称のとおり、あちこちの柱に、龍が巻き付いています。歯も、鱗も、リアルですね。そして、みな斜め上方を見ています。
「水龍宮」の陶器破片模様
龍もそうでしたが、置かれてあるものは、お茶碗など陶器を細かく割って、それらを接ぎ合わせて模様をつくっています。細かい作業です。
「水龍宮」の馬
「水龍宮」には、馬もいます。馬の体を撫でると、願いがかなうのか、それとも、自分の体の悪いところがなおるのかな。
「水龍宮」の巻線香
巻線香は風情を感じます。巻線香に願いを書いた札をつけ、線香に火を点けてから、天井に吊るしてもらいます。
「水龍宮」の孫悟空
元気に宙を走る孫悟空

Diemさんが私を、オートバイの駐輪場のようになっている右側の出口に誘導するので、水龍宮の参拝は終わり、セオムかタクシーで移動するのかと思ったら、入ってきた Tran Bao Giao 通り とは反対の方向へと、細い路地の奥に入っていくのです。どこに行くのだろう?と思いつつ、あとをついていくと・・・

Vam Thuat川への通路
どこに行くんだろう?
Vam Thuat川への通路にいる神様
細い通路には神様がいたり、、、
Vam Thuat川への通路にいる犬(?)
5匹の犬(?)がいたり、、、。
Vam Thuat川の渡し舟乗り場
すると突然、心の準備がないのに、川(Vam Thuat川)に出ました。舟が待っています。

「水龍宮」の裏には、中洲の寺院へ行く渡し舟の発着所がありました。運賃は、往復で10,000VND(約50円)です。すでに人が大勢乗っているので、急いで乗り込みました。

正面に、フーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu)が見える。
正面に、フーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu)が見えます。
フーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu)
想像したよりも立派なフーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu)
フーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu)に到着
目の前いっぱいに、 フーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu)が飛び込んできます。到着。
フローティング・テンプル (Miếu nổi) と呼ばれるプー・チャウ寺院 (Phù Châu Miếu; 浮珠廟)

フーチャウ寺院 (Miếu nổi; Phù Châu Miếu) についての説明は断片的にしか見当たりません。以下は、私の推測をまじえた文章で、史実とちがうことを書いてしまっているかもしれません。誤っている箇所があったら、ご指摘ください。

フーチャウ寺院は、 Vam Thuat川(以前のBen Cat川)の中洲の砂丘(2,500平方メートル)に建てられています。
伝説によると、いまから3世紀ほどまえ、川岸で釣りをしていた漁師が、女性の死体(Thủy Tế の像)を見つけました。それを浮き島に葬って弔い、礼拝するために小さな寺院を建てたそうです。
その後、人々や漁船の所有者たちが、多く、礼拝のためにここを訪れるようになり、彼らは徐々に、広々とした寺院を建てました。
1975年以前は、ここはサイゴンの人々の人気のある礼拝地でしたが、その後はほとんど放棄されました。1989年、中国系の Luc Cau 氏がお金を出して、寺院を修復しました。

フーチャウ寺院の門
フーチャウ寺院の門。龍があちこちにいます。
浮珠廟
門をくぐると、正面にある浮珠廟
空には航空機
浮珠廟の上には、タンソンニャット国際空港に着陸する航空機がひっきりなしに飛んでいます。
浮珠廟
浮珠廟にも、大勢の参拝客がいました。女性の姿が目立ちます。
天井
真上を見上げると、天井もきれいに装飾されています。
浮珠廟の装飾
浮珠廟の装飾

小さな写真をクリックすると、それぞれ大きくなります。

龍宮城のような小さいお堂が、廟の隣にあります。

浮珠廟の隣に建つお堂
浮珠廟の隣に建つお堂。龍宮城にはいる気分。
お堂のなか
お堂のなか
お堂のなか
お堂のなか。右下は、お堂の外に掲示されていた寄付者リスト。

浮珠廟の裏にまわってみると、屋台の食べ物屋があるようでした。お客さんもいて、にぎやか。
ナマズや亀、それに小鳥を売ってます。
 えっ! これ、食べるの?????

屋台の食べ物屋さん?
屋台の食べ物屋さん?

食べ物ではなかった!
これらを放して、幸福を祈るためでした。ベトナムや中国やミャンマーでは、小鳥を売っているお寺が、よくありました。買った小鳥を空に放って幸せを祈ります。でも、ナマズや亀をそうするとは、知らなかった。
Diemさんが小さい亀を10匹買ってくれました。渡し舟が着いたところから、川に、1匹ずつ、やさしく、祈りながら放しました。

子亀を10匹、川に放しました。
子亀を10匹、川に放しました。
子亀はどこへ泳いでいったのか?
子亀はどこへ泳いでいったのか?

舟着き場の脇には観音 (?) 像があり、その前の小さな広場では家族連れがくつろいでいたり、少年が書を書いていたり、おみやげを売っている人もいました。

観音(?)像
観音(?)像
くつろぐ人、おみやげを売る人がいました。
くつろぐ人、おみやげを売る人がいました。
書を書く少年。
書を書く少年。「良く教える先生も、良く教えてくれない先生も、先生は先生」という意味のベトナムことわざを書いてくれました。空には 飛行機が、相変わらず飛んでいます。

満員の参拝客を乗せてきた舟に、ふたたび舟着き場から乗り込み、来た水龍宮の脇の通路を通り抜けて、歩いてNguyen Thai Son通りまで出ました。途中、多数のバイクが出てきた小道を覗いたら、ヴァム・トゥアット川 (sông Vàm Thuật) の対岸とを結ぶフェリー乗り場がありました。

ベトナムの紹介(写真)