アンザン省にあるアンザン大学で、奨学金授与式

アンザン大学エントランス

美しいキャンパス

両手を大きく開いて 訪れる人を 受け入れるように、円弧でデザインされたアンザン大学の正門をくぐると、遠くに建物が見えてきます。

アンザン大学は、メコンデルタに位置するアンザン省の省都ロンスエン市にあります。
広大なキャンパスに、緑を取り込んだ校舎が涼しげです。

池には蓮の花が咲き、暑い日差しの下で、花壇の手入れをしている方がいました。

授与式がはじまるまで時間があったので、図書館を見学しました。

2年前に見学したときと比べて蔵書が大幅に増え、グループで学習している学生の姿が目立ちました。

階段をのぼり、緑を見ながら廊下をすすみ、奨学金授与式を行う会場に向かいます。

奨学金授与式

アンザン大学農学部学生への奨学金授与式は、2019年10月4日午前10時15分、男子学生が進行を仕切るゲームでスタートです。
学生4人と日本人1人に前に出るよう呼びかけます。ゲームは、アンザン省特産のフルーツを順番に言い、答えられた数を競うもので、‌賞品はアンザン大学のバッジでした。

ゲームの進行係りは、この元気な男子学生です。

ゲームで場が和むと、司会者が、挨拶。
「アンザン大学は創立して19年になったが、発展の過程では、多くの援助をいただいてきました。とくにFUJI教育基金からは長年にわたり、成績優秀で困難な家庭の学生を援助していただいています。きょう、あたたかい雰囲気でFUJI教育基金の代表団をお迎えすることができ、感謝いたします。」

左:歓迎の挨拶を述べる司会の先生。中:いつもわれわれをもてなしてくれる学生係の先生。右:副学長。

つづいて、私たちFUJIのメンバー、副学長のダット先生、学生係のグアンさん、それに奨学生の紹介があり、20人の学生(農学部)に奨学金を贈りました。
そのうち連続してFUJI奨学金を授与された学生は7人、初めて受給した学生は13人です。また、女性12名、男性8名でした。
5人の学生がダラットへ実習に行っていて、この場には15人が参加しました。

5人ずつ、3回、奨学金を贈呈しました。

アンザン大学からFUJI教育基金に感謝状、FUJIの一行に記念品をいただき、私たちもおみやげを渡しました。

奨学生たち

さらにFUJI教育基金から奨学生に、新渡戸稲造著『Bushido; the soul of Japan』(英文;1900 [明治33] 年初版)のベトナム語版 (Le Ngoc Thao 訳、2011年6月、ハノイ刊) および日本を紹介するベトナム語の本を贈りました。『Bushido 武士道』の訳者は1960年代に東北大学に留学した在日ベトナム人です。

ベトナム語版『武士道』について、説明。

東日本大震災の直後に訳者が刊行に寄せて書いた文章の一部を、以下、日本語に翻訳して引用します。

 現代の日本には学校教育において(幼稚園から高等学校まで)武士道もしくは神道という科目がない。どうやって日本人は祖先の伝統を受け継ぐことが出来るだろうか。日本に根付いた道徳意識、主に昔の侍たちの行為を制するものは学校及び家庭において実際の行動によって子供に学習させる。例えば子供に礼儀正しい行動とはどういうものなのかを教え、実践を勧める (物を貰う時、助けて貰うときに感謝のことばをのべなければならない。他人に迷惑をかけるときには誤らなければならない。人の立場に立ちその気持ちを理解する努力等々)。その他、例えば誠の心 (拾い物を必ず学校または警察署に届ける云々)、名誉を重んじるこころ(自分の品格を下げるような行為はしない、例えば行列に割り込み云々)は常に注意喚起される。こどもの回り(学校または家庭)の人々は個々の子供に常に目を配り正しい行為を勧める。
 訳者は昔の日本人(侍は代表)の処世術とその道徳意識を概略的に知っていただき、現代の日本人の行動について多少なりとも理解する手助けになることを切望し、新渡戸稲造の『武士道、日本の魂』を読者に紹介した次第である。

4年生の女子学生フオンさん (農村発展学専攻):感謝のことば

人びとは、それぞれ違った環境の下に生まれてきます。貧しい環境に生まれた人もいれば、恵まれた環境に生まれる人もいます。母は私たち姉妹2人を、土地がなく日雇いの仕事で育ててくれました。
最近、母は結核にかかりました。妹も病気で学校をやめざるをえなくなりました。
勉強する費用は自分でつくらなければなりません。家族みんなの悩みです。

4年生の女子学生フオンさん

そんななか、FUJI奨学金をいただけることが分かり、すごく嬉しいです。
家族、友人だけでなく、FUJI教育基金からも関心をもっていただき、明るい将来を確信しています。
奨学金をいただく学友を代表して、FUJIに感謝します。皆様の期待を裏切らないよう、がんばります。家庭と国のために尽くしたい、改めてお礼を申し上げます。

副学長ダット先生:感謝のことば

アンザン大学に課せられた任務は、立派な学生を育て、社会に貢献することです。
アンザン大学の学生の多くは、家庭環境の厳しい困難な状況にあります。いろいろな組織、個人の方から援助をいただいていますが、FUJI教育基金からは13年という長きにわたって援助していただき、とても感謝しています。
皆さまからの奨学金は、困っている学生たちにとって大きな励ましとなり、大いに役立っています。皆さまの気持ちをよく理解し、感謝しています。

副学長ダット先生

学生たちには、困難を乗りこえ、先輩たちにつづき、家庭や社会に貢献する立派な人になることを期待しています。
FUJI教育基金には、これからも援助していただきたい。アンザン大学は、将来に向けて立派な学生を育てていくことを、信用していただきたい。
皆さまの健康と幸福を祈ります。FUJI教育基金が発展することを祈っています。
アンザン大学とFUJI教育基金との関係が深く、長くつづくことを期待しています。
学生諸君! これからも努力して、立派な人になるようがんばってください。

卒業生ザオさん:後輩へのことば

私は大学1年からFUJI奨学金をいただき、今年卒業しました。現在、仕事がきちんとできるようになり、FUJIの皆さまにあつく感謝します。
私は、働いてお金を稼ぐことがどんなに大変なことか、よく理解しています。奨学金はFUJIの皆さまが汗をかいて稼いだお金です。そして、稼いだお金をつかってベトナムへ来てくれることがどんなに大変なことか、よく分かっています。
後輩たちにお願いしたい。奨学金をきちんとした目的のために使ってください。FUJIの皆さまが汗をかいて贈ってくれた奨学金を大事につかってください。
改めて、FUJI教育基金、そして卒業まで支援してくれたアンザン大学に感謝します。
これからは私も、条件が許せば、後輩たちを援助していきたいと思っています。

ザオさんは筋ジストロフィーという難病にかかっていて、下肢が動きません(学友たちが負ぶって、通学や学内を移動しています)。FUJI教育基金では、彼が大学1年生のときから特別枠(農学部学生に奨学金を贈っていますが、彼の専攻はIT)で毎年奨学金を贈ってきました。いま、彼はロンスエン市で、IT関係の仕事をしています。

交流会

授与式終了後、場所を変えてレストランでランチをいっしょに食べながら、奨学生たちと交流しました。

:乾杯しているグラスの中身はビールではありません。お茶です。

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