アンザン大学奨学生から届いた手紙(1)

アンザン大学正面玄関

 私たちが10月に奨学金を贈呈するためにアンザン大学農業と天然資源学部(Faculty of Agriculture and Natural Resources)を訪問した直前の2019年9月30日に、アンザン大学で奨学金の対象に選ばれた学生たちから、感謝の手紙が届きました。すべて、英語で書かれています。
 これから紹介する手紙は、拙い訳で、誤訳もあるかと思いますが、お許しください (H.S.)

4年生・男子:Plant Protection 専攻

 FUJI奨学金の審査を受けて、この尊い奨学金を受け取ることができ、私は本当に幸運で幸せです。何よりもまず、奨学金を支給していただくFUJI教育基金に感謝します。これは私のような困難な状況にある生徒にとって、物質的にも精神的にも大きな励ましです。
 私の家族は、アンザン省のチャフーというところに住んでいます。私の父は毎日つらい仕事に雇われ、母はポーターとして働きながら家事をしています。祖母は椎間板ヘルニアで悩んでいましたが、最近急に悪化してしまいました。祖母が入院した日から、私の母は祖母の世話をするために家事ができなくなりました。近々、私はインターンシップ旅行に行かなければなりません。それに、最終学年の授業料はかなり高いです。私の学費を支払うために、私の両親は長年にわたってお金を借りなければなりませんでした。私は両親の苦労を理解しているので、両親を助けるために私は、自分に必要なお金を稼ぎ、節約するよう、もっと努力します。
 アンザン大学の学長がFUJI教育基金の奨学金を募集したとき、私は思いきって応募しました。この光栄ある奨学金が受けられることを本当に嬉しく思います。個人としても、FUJI教育基金がますます多くの学生を支援してくださるよう、安定して成長し続けることを望んでいます。皆さまは、学生がさらに前進し、強さと信念を獲得するためのしっかりした基盤を創り出しています。そうであるから、私たちは学習の道筋をしっかりとあゆみ、将来を着実につくりだすことができます。
 今回FUJI奨学金を受けられることは光栄であり、いただいた奨学金で、卒業要件を満たすために基本情報技術申請証明書(the Basic Information Technology Application Certificate)を申請できるようになります。さらに、奨学金の残額で、両親が次学期の授業料を支払い、現在の学習費用の一部を支払う一助にします。
 FUJI教育基金から支援を受けている一学生として、私は本当に誇りに思います。私が日々努力し、より良い成績の達成と道義心の涵養に常に努力するのは、その誇りのおかげです。あと数カ月で、このアンザン大学を卒業します。私にとって、いまは大学4年間で最も重要な期間です。将来のこと、私の家族、そして皆さま方の優しさについて思い、私はもっともっと勉強することを約束します。そうすれば、私は家族や社会にとって本当に役に立つ人になることができます。
 手紙の最後に、私たちの夢を実現するために常に学生たちに付き添ってくださったFUJI教育基金に感謝します。私の困難な人生における、皆さま方からの多大な配慮と関心を、私は自分自身が成長し続けるための動機として記憶するでしょう。FUJI教育基金が全国各地の学生に寄り添ってくださることを願います。皆さま方のご健康とご幸福を祈りします。

 この手紙のように、ほとんどの手紙は、前文として奨学金をもらえることへの感謝や喜びが述べられ、最後に、勉強への決意や基金へのお礼などで結ばれています。手紙の数が多いこともあり、こうした前文・結語は以下、省略して紹介いたします。

4年生・女子:Food Technology 専攻

 FUJI教育基金から3回目の奨学金をいただく機会が与えられたことは、本当に嬉しく思います。 私は2018-2019年度の2つの学期の成績を、次のように達成しました。4点満点のスコアで、第1学期は3.88、第2学期は3.63でした。FUJI教育基金の支援を受けて、私はこうした成績で一学年を終えることができました。
 確かに、私の勉学と私の家族の生活は、FUJI教育基金によってサポートされています。この奨学金により、授業料、生活費に対する両親の負担を減らすことができます。適切な研究環境を獲得する多くの機会があり、現時点では研究に100%集中することができます。その結果、私はこれまでに多くの成果を達成し、非常に誇りに思っています。
 1カ月後、私は食品加工工場でインターンシップをします。私は工場の労働者のように働き、工場の生産プロセスを理解します。このインターンシップ旅行の費用は、私の家族にとって大きな支出です。私は、FUJI教育基金の支援が得られて嬉しいです。両親にそれほど心配をかけずに、私はこの旅行の準備をすることができます。
 それ以外に、奨学金は英語の授業料の支払いを支援してくれます。私は3カ月間、英語コースで学びました。実際、英語は私にとって非常に重要です。ほとんどの食品加工に関する書籍は英語で出版されています。この英語コースは、次の学期では特に、研究旅行で私を大いに助けてくれます。私は卒業論文を仕上げることができます。

4年生・男子

 現在、厳しい状況にある学生がたくさんいますが、私たちはみな、勉学するうえでの困難を乗り越える心を持っています。そういうこととして、私は自分の家族の状況についていくつかを話します。私の家族は困難な状況にある5人家族です。そして、両親は妹やより小さい弟を育てるために雇用労働者として働いています。しかし、両親は年老いて弱ってきています。父は糖尿病なので、もはや収入を得る労働はできません。母親と年寄りも手足に痛みを抱えています。母親は祖父の世話をするために家にいなければなりません。家計支出の負担は妹たちにしわ寄せされ、妹たちは学校を辞めて、父親の医療費、家族の生活、私の教育のために、雇用労働者として働かねばなりませんでした。私も勉強に加えて、 ロンスエン市のショッピングセンターのファストフードレストランでアルバイトをしています。 アルバイトの時間給は 1万8,000ドン(約90円)です。アルバイトの仕事は、子どもたちの勉学費の一助になります。アルバイトは収入を得られるだけでなく、ライフスキルを伸ばし、自分自身を磨くために役立ちます。
 私は学校から選考されて、FUJI奨学金を受給できることになりました。私はFUJI教育基金について学びました。それは私が学校に行くための励ましの源であるだけでなく、私が農学部学生として難しいけれど興味をもって勉強をすすめる源でもあります。FUJI教育基金は、私たちを支援するという精神的な贈り物を与えてくれます。この奨学金を受け取ったとき、私は皆さまが失望しないよう、最善を尽くして勉学に励むことを約束しました。正しい目的のために奨学金を使います。FUJI教育基金は、私たちが大学での勉強を続けられる機会を与えてくれたのです。

4年生・男子:Animal Husbandry 専攻

 FUJI教育基金から2年間奨学金を授与されたことを大変光栄に思っています。多大な関心をお寄せいただき、まことにありがとうございます。皆さま方は忙しいにもかかわらず、遠い距離であることも気にせず、私たちにこの有意義な贈り物を与えに来てくださいました。皆さまの寛大な支援は、私だけでなく私の家族もいやしてくれました。この奨学金が私の教育における夢を達成する上で重要な役割を果たしたことは間違いありません。皆さまの支援がなければ、獣医になりたいという大志を果たすために必要な成績を達成することはできなかったでしょう。私は常に良いGPA [Grade Point Average;各科目の成績から算出された成績評価値] を維持し、空いた時間には課外活動に積極的に参加しています。卒業するときには、知識、スキル、専門知識を活用できるようになりたいです。私の将来への継続的な支援と投資に感謝します。

4年生・男子:Biotechnology 専攻

 私は21歳です。アンザン省チャウタイン地区にある小さな村――平和で伝統的に教育熱心な村で生まれ育ちました。
 私は、父、母、それに兄と私の4人家族です。父は建築業で、母は主婦です。兄は4年生です。私の家族には田畑がないので、両親は私たちを学校に行かせるために、身を粉にして働きにいかねばなりません。
 教育熱心な伝統を持つ村なので、私は他の子供たちと同じように、学校へ行き、勉強し、多くの教師や友人たちと会い、彼らから多くの有用な知識を学びました。学校に通いはじめてから、私は常に多くの成功を収め、常にクラスの良い生徒でした。高校生のとき、私の将来はクラスでトップの座を獲得するために、一生懸命勉強することだと考えました。
 そして、学生時代の重要な時が来ました、それは国家試験 [高校卒業 兼 大学入学統一試験 (国家統一試験)] です。田舎では、家族の最大の願いは、子供たちが試験に合格することです。したがって、私自身は常にプレッシャーと困難にさらされました。しかし、それは、私がもっと頑張ろうとする動機ともなっていました。 試験では21.55のスコアをとって、私は2つの大学に出願し、両方に合格しました。コミュニティに貢献したいという熱意があったので、私の夢は、私の家族やすべての人の面倒をみる、優秀で才能のある医者になることでした。そこで私はカントー大学医学・薬学部(Can Tho University of Medicine and Pharmacy)に応募し、公衆衛生学科に合格しました。しかし、家族の厳しい経済状況のため、アンザン大学で生命工学を学ぶことにしました。現在、私はアンザン大学の生命工学(Biotechnology)専攻の最終学年にいます。
 私の趣味は次のとおりです。本を読む;音楽を聴く;漫画映画を見る;スポーツをする。私の好きなスポーツはバレーボールです。私のアイドルはグエン・ティ・ゴック・ホア [Nguyen Thi Ngoc Hoa;ベトナム女子バレーボールチームの元キャプテン、数々の優秀選手賞を受賞し、チームの勝利に貢献] です。彼女はバレーボール選手であり、とても親切で、ユーモラスで、頭がいいです。暇なときは、知識を高めるために専攻に関する本をよく読みます。そして、私は勉強のためのお金を稼ぐために夜、アルバイトをしています。また、学校の内外で多くの活動にも参加しました。たとえば学外では、アンザン省チョモイ地区にある村で貧しい生徒や家族にプレゼントや服を贈る;アンザン省の社会保護センターで子供と高齢者のための給食を組織する;新入生に本や教科書を提供する。……そういったことを通じて、私は自分のコミュニケーションスキルを向上させ、コミュニティに奉仕し、私よりもっと困難な状況にある多くの人を支援します。
 大学での3年間、私は常に高い成績評価を達成しました。卒業後、私は安定した仕事に就き、家族を助け、困難な人々を助けることができるように望んでいます。今日、多くの農民は健康な人々にとって非常に有害な農薬と肥料を、大量に農地に使っているので、人々のために良い製品を創り出せるよう研究したいと思います。私の知識は、汚染された環境の改善と温室効果ガスの低減に応用できます。
 FUJI教育基金から受け取ったお金は、勉強と卒業論文の費用に使います。安定した仕事に就き、家族の経済状況をより改善できても、私は、病院で働くという自分の夢を実現するために勉強し続けます。私は、生命工学の研究知識を応用し、病院で、医学に役立つ何かを見つけることができます。
 最後に、私は心からFUJI教育基金に感謝します。私は最善を尽くして勉強し、希望するかたちで卒業することを約束します。そして社会を助けるために安定した仕事を得ます。FUJI教育基金がより強く、より成功しますように。

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